間接照明を上手に使って、「お部屋を広く、魅せる」には?
間接照明にも色々なタイプがあり、特に工事不要で取り付けられるDIYタイプの器具もあり、使い方と併せて紹介します。
間接照明とは?
間接照明は、光源を直接見せず、間接的な光で「空間全体もしくは空間の一部に光を広げる」照明のことを言います。
そのため、家具などの裏に設置して、光は後ろ向きに、壁などに反射させるように向けるのが基本です。
小さなライトで、手元をほんわか、というライトも間接照明として紹介されることもありますが、上記の意味合いでは、間接照明というよりも、手元灯といった方が適切かもしれません。
なぜ間接照明?
「光を後ろ向きに、壁などに反射させるように向ける間接照明」ですが、
空間全体に広がるひかりによって、柔らかい光に包まれた感じが得られる「癒し」や、
ホテルやレストランに居るような「おしゃれ」な空間を演出できる、などのメリットがあります。
それでも間接照明の一番のメリットは、
壁や天井に光を当てることで、部屋の周囲の境界を感じにくくさせ、「空間を広く見せる」、ことにあります。
例えば、こんな風に(これは間接照明ではありませんが)、天井が相対的に明るければより空間の高さを高く感じられます。
特に、天井の圧迫感を、「開放感」に変えられる、それこそが間接照明だけが出来ることと言えます。
天井に貼りつけられたようなシーリングライトだと、ライトを中心に下向きに光ることで、天井は(床面と比べて)相対的に暗くなり、
逆に部屋の空間を狭く感じさせてしまいます。
どんな間接照明があるの?
まず、空間を広く見せるには、面全体に光が広がらなければなりません。
大きな建物であれば、ウォールウォッシャーと言われる投光器などが使われています。
(間接照明なので、見えやすい場所にあることは少なく、)
下の写真であれば、建物の中にも光が広がることで、空間としてより広がりと落ち着きを感じられると思います。
もちろんお部屋の中に施設に入れるような大きな照明を入れることはできないので、ここではお家に設置することのできるいくつかの間接照明のタイプをご紹介します。
1.壁・天井設置型間接照明: 壁や天井に埋め込まれた照明装置で、光を天井や壁に反射させて間接的な照明を提供します。
2.フロアスタンド型間接照明: 床に置かれた照明器具で、壁や天井に光を反射して間接的な照明を作り出します。
3.ライン型間接照明: LED テープライトなどの細長い光源で、間接的な照明を提供します。ライン型間接照明は、部屋の輪郭を強調したり、特定の部分を強調したりするのに便利です。
4.ダウンスポットライト型間接照明: 天井から下方に向けて光を放射する照明器具で、光を天井や壁に反射させることで間接的な照明を提供します。
5.コーブ照明: 壁と天井の隅に設置された光源で、光を壁や天井に反射して部屋全体を均一に照らす効果を持ちます。
これらのタイプは、部屋のデザインや照明の目的に応じて選択されます。
ポイントは、
・光源を見せないこと(高い輝度があると、明暗さで照らしたいところの明るさ感が小さくなってしまう)
・壁から天井にかけて広く光ること(反射を目的として)
この2点を基準に、簡単に設置できそうな照明器具をピックアップしてみます。
壁・天井設置型間接照明
こんな風に上に光を伸ばせるように、設置できると、天井にも光が伸びます。
でも壁に穴を開けないといけない、というのは、設置する上で難しい、そんな場合には電池式(充電タイプ)というのもあります。
ライトを好きな方向に取り付け、好きな方向に向けられるので、お部屋の光の模様替えも楽に可能です。
都度充電も大変ですが、最近は電池の持ちも良くなってきているので、毎日頻繁に充電して、ということは必要無さそうです。
天井設置型については、このようなタイプを使って天井面に向ける、という方法もあります。が、どうしても光源が見えてしまうので、施工できるならば、後から説明するコープ照明タイプが、間接照明としては好ましいです。
フロアスタンド型間接照明
フロアスタンド型では、天井と壁を両方照らせるタイプがあります。このタイプであれば、奥行き感が広がりやすく、設置場所も比較的選ばないので、使い勝手も良いです。
スポットライトは向きを変えることができるので、手元が暗くなりがちな間接照明でも、必要な時だけ手元に向けて本を読むときなどに使える、というのも便利です。
また壁面に向けて横向きに狙えるライトもあり、水平方向に壁の奥行きを感じさせ、デザイン的におしゃれな空間になります。
ライン型間接照明
ライン型間接照明は、DIYでよく使うLEDテープライトが使われます。
LEDテープライトは、ここでもまとめましたが、色々なタイプがありますので、使う場所や必要な色味など選択の幅はたくさんあります。
最近では粒粒感が極力除かれたCOBテープライトというものもあるため、より美しい光の効果も簡単に得られやすくなりました。
一方でテープライトで良く使われがちなのが、テレビや家具の裏となりますが、実際は写真のように光が意外と伸びにくいという性質があります。
そのため、より光の広がりを作るのであれば、壁面に光が照射される範囲も広く設計された以下のような製品がおススメです。
ただし、テープライトのように自由な長さで切れるなどの自由度は低いのはご注意ください。
ダウンスポットライト型間接照明
このように壁面をスポットで照らすタイプですが、光の陰影によって壁にアクセントを作ることができるため、特に高級感を演出できます。
基本的には埋め込み型であるので、工事が必要となります。
より手軽にダウンライト型間接照明を楽しむには、ダクトレールと組み合わせた商品がおススメです。
ダクトレールも天井コンセントを使って設置できるタイプがありますので、このダクトレールに取り付けられれば、工事不要で取り付けすることができます。
コーブ照明
コーブ照明とは、天井に光を反射させて部屋の明るさを取るタイプを言います。
飛行機の機内の照明を思い出してください。低い天井をなるべく感じさせないように間接照明が使われている例です。
建物では、天井と壁の間に段差を設け、光源が見えなようにして光を段差の内側から伸ばしています。
この枠内の部分が光の窓のようになって一層明るさを感じさせます。
壁側に照明を当てる場合は、コーニス照明となります。
このような間接照明とするには、構造的に折り天井である必要があるので、折り天井でなければ設置は難しいかと思います。
折り天井が無くても、コーブ間接照明用の器具はあります。
光源について
照明器具を選ぶにあたって、光の色・質はとても大事です。次の基準をぜひ参考にしてみてください。
「目的」と「色温度の表示」
たいていの照明器具には色温度の表示があり
- より明るい感じと開放感が欲しい ⇒ 昼間の太陽光に近い白色の光 色温度の表示 5000K前後
- 夜にも違和感が無く、若干温かみのある光が欲しい ⇒ 白熱球に近い光の色(電球色) 色温度の表示 2700~3000K
- バーカウンターでリラックスするような空間が欲しい ⇒ ろうそくの光に近い光の色 色温度の表示 1800K~2200K
1800~2200Kの光の色温度の製品はなかなか無い為、入手は難しいかもしれませんが、リラックス空間を作るには最適な光の色です。
2700~3000Kの光の色温度は、電球色だと言っても、ほのかに照らしたいとして、真っ暗な空間だと若干白く感じられるかもしれません。
まとめ
間接照明は、部屋のレイアウトや用途にあわせて設計段階から作り込んでいくのが理想ですが、今あるところに間接照明を入れておしゃれにしたい場合など、後からでも間接照明を取り付けることができます。
「空間を広く感じられる」おしゃれな間接照明ライフを!